2022/07/12ARCUSNew!
【ARCUSスタイルepisode/中3】VもぎD判定からの逆転合格
※ARCUSスタイルとは、「毎日の学習管理表×質問し放題の自習スペース×1対1個別」という指導スタイルのことです
※この話は、以前別の塾でARCUSスタイルを取り入れていた際の合格episodeです
※実話です
■episode1 中学3年 大川さん(仮)
当時、某個別指導塾の10月新規開校を担当した際に、9月中旬に入塾してきたのが大川さんでした。それまでは別の大手1対2個別指導塾に通っていましたが、8月末のVもぎで第一志望がD判定と撃沈し、一縷の望みをもって移ってきました。
志望校は「都立深川高校」で、換算内申が3~4届いていない状況でした。
まず最初に行ったことは、
1.模試の徹底分析
そもそも模試は、「今の自分の立ち位置を教えてくれるため」に存在します。
決して偏差値で一喜一憂するためのものではありません。勉強面での健康診断みたいなものですね。
ここでポイントなのが、成績表の単元別正答率だけを見るのではなく、実際の問題用紙と答案用紙を見ることです。「間違え方」「問題の余白の使い方」などにも改善のヒントが眠っており、気づくことで次へとつながります。
大川さんの場合は単元ムラがあるわけではなく、全体的に定着度が浅い印象でした。夏休みの過ごし方を失敗したケースで、大手塾のマニュアルカリキュラムがフィットしなかったパターンだと思います。
よく「量より質」だと言いますが、正しくは「量あっての質」です。
2.教材の変更
自社教材を使っている塾に通っていた大川さんでしたが、理社は内容が薄く、国語は都立の過去問にシフトしたく、英数はもう少し基礎レベルの演習問題が欲しかったため、すべて切り替えてもらいました。
一律で同じ種類の教材を使うことに利はないので、彼女に合わせてコーディネートしました。
【英語】
(単語)英単語トレーニング (文法基礎)基礎完ターゲット (文法標準)新中学問題集2,3年 (長文)都立過去問(2005~2015)
【数学】
(大問1対策)精選全国公立高校入試問題集(計算・一行編) (基礎)基礎完ターゲット (実戦演習)都立過去問(2005~2015)
【国語】
(漢字)漢検3級問題集 (長文)都立過去問(2005~2015)
【理科】
学校の教科書・マイクリア
【社会】
学校の教科書・マイクリア
こんな感じで進めました。残りの年度の過去問は、終盤に通し解きさせました。
共通問題の英数国では、過去問こそ最良の教材だと言われる方もいらっしゃる通り、入試問題を用いた学習が最適解だと考えました。ただし理社に関しては浅い知識でやすやすと解ける程甘くはないので、徹底的に基礎知識のインプットをし直しました。マイクリア理社は中1~3までの内容を1冊にまとめたテキストで、入試までに3周させるにはちょうどよい教材だと判断しました。
3.質問をルーティーンワークにさせる
あまり自分から質問できない大川さんに対して、
①わからない問題には『?』をつけた上で付箋を貼ること
②付箋は質問するまで剥がさないこと
これらを徹底させました。
ふわっとした理解を無くし、人に説明できるぐらいまでの理解へと昇華させました。
ちなみに最初こそ遠慮がちに質問していた大川さんですが、終盤は質問の鬼へと化していました(笑)
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8月末のVもぎでD判定だった大川さんですが、
9月 D判定
10月 D判定
11月 C判定
12月 C判定(B寄りのC)
1月 B判定
こんな感じで上がっていき、過去問の得点率も合格ギリギリのラインまで届き、
結果見事に合格したのでした。
とはいえ、最後まで本当に厳しい戦いでした。Vもぎの判定は確かに参考になるのですが、D判定で受かった子もいれば逆にS判定で落ちた子もいるので、最後まで安心できませんでした。むしろ油断するなと口を酸っぱくして伝えてましたし、自分自身にも言い聞かせてました。
ただ、この後半伸びのケースは、自身の経験上合格にかなり近づけると思っています。
今まで多くの逆転合格を見てきましたが、その多くがこの「後半伸び」のパターンでした。
そしてそんな努力を支えたのは、内申も偏差値も足りない、そんな絶望感に抗いながらも「最後まで絶対に諦めない」という強い思いを持ち続けたことだと思います。
受験生の皆さん。強い思いはもっていますか?
この夏は「勝負の夏」ではなく、
「自分を変える夏」ですよ。
塾長 鴨志田